「笑いと健康学会」 設立趣意
 
 「笑い」は多くの意味を含んだ高度な感情表現といわれます。人間はこの「笑い」によって多くの感情を表現しながら、社会の中で生活してきました。笑いの意味する表現は複雑で、「微笑み」をはじめ、苦笑い、照れ笑い、愛想笑い、哄笑、爆笑・・・など、そのときの感情によってさまざまに変化します。
 「笑い」は古くから演劇の中などで人々の楽しみの重要な要素になっていました。しかし、20世紀フランスの哲学者ベルグソンをはじめ、識者は笑いについて思弁的・哲学的にその意味を考えただけでした。それゆえ、「笑い」が人間の健康や性格形成や社会生活などにどのような意味を持つかについて実証的に解明し、それを生活の中に生かそうと考えた人はいませんでした。
 ところが、20世紀末から、「笑い」が社会生活を健康に送るために実際に重要な意味を持っているという指摘がなされ始め、次第に注目を集めるようになりました。
 21世紀は高度に複雑化した高齢社会といえます。このように複雑化した社会の中で人間がどのように生きるかについて「笑い」の持つ意味は大きいといえます。さらに、この複雑化した人間関係において、いかにストレスをはねのけ健康長寿を謳歌するか、という視点からも「笑い」の持つ意味を考える必要があります。
 残念ながら、これまでの「笑い」の研究や「笑いと健康」に関する指摘で十分な科学的根拠を持っているものは多くありません。また、それらは体系的に整理されておりません。こうした中で21世紀社会において「笑い」が持つ実際的な効果を考え、これまでの知見を整理し、現代科学を駆使し、医学的研究方法の開発によって、その成果を実際の生活の中に導入することを検討することは大いに意義があると考えます。
 帝京平成大学では、2001年に「笑い学講座」を開設し、「笑い」についてさまざまな視点から研究・教育を行ってきました。こうした積み重ねの中から、「笑いと健康」に関心のある人々が集まり、科学的・実証的に笑いを研究し、それらの成果をもとに実際の生活の中に笑いを導入することの必要性を痛感し、このたび「笑いと健康学会」を設立することといたしました。趣旨にご賛同のうえ、是非本学会にご参加いただきたくご案内申し上げます。
 
2006年2月16日
笑いと健康学会 会長 澤田隆治

笑いと健康学会 事務局

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